History

~マグサンド販売にあたり、これまでを振り返ってみました~

  • 「磁石を愛す」ようにと言われ育つ

私の父は磁石屋で、湯沸かしポットのコードの磁石や、牛の胃に入れるマグネット、ハンドバックの磁石の開発に携わった人間です。
湯沸かしポットはその昔、赤ちゃんがハイハイしてポットの電源コードをひっかけて大ヤケドをするという事故が多発して社会問題に。そこで電機メーカーから依頼を受け、磁石式差し込みプラグのポットを開発、大反響だったようです。

父は食事の際も、どこにいても、どんな時も磁石の話しをし、私は「磁石を愛す」よう育てられました。しかし、磁石には全く興味が持てず、大学卒業後は不動産会社のディベロッパーに就職。勤務のかたわら、大好きな演劇の道に進みました。数年後、母が病で倒れ、急遽父の会社へ入社に。

  • マグエバーを立ち上げる。

父の会社の工場で働きはじめ、毎日磁石に触れるうちに、それまで興味がなかった磁石に俄然興味を持ちはじめました。「磁石ってこんなに面白いの!磁石を使った世の中に役立つ商品がもっとできるはず!」と感じました。
そしてお客様の要望に沿った最適な磁石を提案することが磁石屋の仕事だと考えるようになってきました。
父と、お客様の要望する磁石を仕入れに、中国へ何度も足を運びました。
「磁石屋の娘なのにこんなことも知らないのか!」っと、怒鳴られながらも必死についていきました。

父の会社で10年ほど勤めた後、もっと自分のやり方で自由にやりたい、磁石をつかった自社ブランドを販売したいと思うようになり、起業することを決断しました。

  • 飛び込み営業と行商

そして、やはり現実はそう甘くはなかったのです。
自社ブランド商品をつくるにも、まずはそのための資金を作らねばなりません。時はリーマンショックの不景気で、毎日、ただひたすら営業。磁石を使ってくれそうな会社にメールと電話営業、飛び込み営業などもかたっぱしから。
「女性が社長の磁石会社さん!?」と嫌な顔をされたこともありました。
大量の磁石を車に積んで、ずっしり重い車で静岡、名古屋から大阪、そして岐阜、北陸、長野へ行商の旅。
山道で大きな猪に出会い、叫び声をあげたり、雪道で車が動かなくなったり、スピード違反でつかまったり…。

  • 自社ブランド商品を作りはじめるも、失敗の連続

自社ブランド商品の販売もあきらめず、平行してシリコンマグネットの開発も続けていました。自社ブランド商品は、シリコンマグネットをコアにして作ろうと最初から決めていました。
なぜなら世界最強と言われるネオジム磁石は磁力は強いけれど、割れる、錆びる、ズレやすい、という欠点あり、それらをすべてカバーするのがシリコン樹脂でネオジム磁石を完全に被膜した「シリコンマグネット」だからです。
しかし、その要であるシリコンマグネットがどうしてもきれいに被膜できない。
また、フック部とシリコンマグネットとをどう一体化するか、それにデザインも決まらない。あっという間に1年、3年、5年と月日が流れていきました。

  • マレーシアでオリジナル商品第1弾が完成!

結局、磁石製造国である中国では満足するものが出来ず、故あって知り会ったマレーシアの工場で製造することになりました。
このマレーシアで、今度こそ満足のいく商品ができなかったら、どこに行けばいいのか?
また、別の工場を探して一からスタートしなければならない。
果てしなく不安な気持ちになり、やっぱり私の考えが甘かったのだと、起業する時の孤独な思いが脳裏をよぎり、心が折れてあきらめそうになる弱い自分との戦いの日々でした。

1度目は被膜が破れ失敗。

すぐにマレーシアへ飛んでいって、金型の修正をし、3度目でやっと商品として売れるものが完成。

2017年9月、マグエバー初のオリジナル商品として、「シリコンマグネット i&jフック」を販売することができました。
玄関やレンジフード、ユニットバス等で使える、割れない、錆びない、キズつけないというシリコンマグネットでできたフックです。

  • 実演販売開始~楽しく勉強になった日々~

「シリコンマグネット」は、お店に陳列されているだけでは売れないと思っていました。
まずは店舗の方に商品を知ってもらう意味で、各店舗での実演販売を始めました。
やったこともない実演販売、見よう見まねでしたが、これが結構楽しく、生のお客様の声が聞くことができ大変勉強になりました。
そして少しづつお客様や店舗の方にも「シリコンマグネット i&j フック」の良さを知ってもらい、何より店員さんがこの商品を好きになってくれたのです。

  • 第2弾、挟んで使うマグサンドの開発に成功! 

店舗で販売していると、「家に磁石がつくところがないのよ、ガラスだから、木なの」「どこに磁石がつくの?」といった声も多く、「そうか、私は磁石屋だからどこに磁石がつくかすぐにわかるけれど、みなさんはご存知ないのか…..磁石がつくところが減っているならば、作ればいい!マグネットで挟めばどこでもフックがつかえる!」と考えました。
私の家では昔からあたりまえのように、シリコンマグネットを2つ使って、フックとしてお風呂のすりガラス戸や、窓ガラス、そしてカーテンタッセルとして使っていました。

2019年6月、マグエバーのオリジナル商品の第2弾として、挟んで使うマグネットフック「マグサンド」を販売することが出来ました

「マグサンド」はおかげ様で発売当初から大変好評で、多くのテレビや雑誌、ネットで取り上げて頂きました。
また、“日本文具大賞”の機能分野の優秀賞を頂くことができ、文具としても好評を得ております。

「磁石って面白い!」っと感じてもらえるような、生活がちょっと豊かになってワクワクして使って頂けるモノをこれからも作り、普及していきたいと思います。

澤渡紀子

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